俳優・山本學さん(写真提供:アスコム)

88歳で軽度認知障害(MCI)と診断された俳優・山本學さん。「老い」という現実を前に、私たちはどう生きるべきか?2度のがんを経験し、少しずつできないことが増えていく中、「それでも【今日を生ききる】」という思いを胸に一人暮らしを続け、終活や物忘れとの付き合い方について飄々と語る山本さん。認知症専門医・朝田隆医師との対談をまとめた『老いを生ききる 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』より、一部を抜粋して紹介します。

山本學さんがクリニックにやって来た日

この本は、俳優・山本 學さんと認知症の専門医である私が、「老いを生ききる」をテーマに話し合い、その内容をまとめたものです。

學さんは、現在88歳。

俳優として今なおご活躍されながら、一人暮らしを続けるなかで、軽度認知障害《MCI:Mild Cognitive Impairment(マイルド コグニティブ インペアメント)の略》と診断されました。

軽度認知障害とは、正常な脳と認知症との間にある状態で、いわば「認知症グレーゾーン」。認知症とまでは言えないけれど、決して正常でもありません。

そんな學さんに、私が聞き手となり、ご自身の経験や想いを語っていただいたのがこの記事です。認知症も含め、「老い」とどう向き合い、どう生きていくのか。

その本音と知恵の一部です。