慰霊会「時忘れじの集い」
子どもたちの協力もあり、幸い土地を手放すこともなく、2005年に慰霊碑と塔は完成した。寛永寺側に慰霊碑「哀しみの東京大空襲」、東京都の方には平和の母子像「時忘れじの塔」。以来、毎年3月9日に慰霊会「時忘れじの集い」を行っている。
「うちの家族だけでお参りしようと思っていたのですが、新聞で取り上げていただいて、たくさんのひとが来てくださるようになりました。最初は100人、そのうち300人、500人、昨年はなんと1500人です。
毎年お経を上げてくださる浦井先生からは、『戦争体験者はどんどん高齢化して亡くなられるから、慰霊祭は年々寂しくなることを覚悟しなくてはいけませんよ』といわれていたのですが、参加者は増えているんです。ニュージーランド、イギリス、カナダからいらっしゃる方もいるんですよ。
正直申しまして、大変です。お金がかかりますから(笑)。テントを張って椅子を並べて、寒い時期ですからボイラーも焚かなくちゃいけない。だから一所懸命働かなくちゃ、江戸っ子ですもの。
でもね、『参加できませんが、お線香代にしてください』と、いろんな方が五百円硬貨を貼り付けて送ってくださるんです。五百円だったり千円だったり、金額の多いひとはいませんが、これは気持ちの問題ですよね。
当日はうちの家族がお話をしたり、歌をうたったり。そしてお土産に桜色の紙袋を配ります。みなさんに、それを持って歩いてください、カバンの中に入れないで、とお願いします。
きれいですよ。『東京大空襲』と書かれた桜色の紙袋を一斉に持つと、辺りがピンクに染まります。するとなんの集まりですか、と尋ねてくださる方もいる。
100年の記念日まで続けたいと思っています。あと、28年。まだまだわたしも稼がなくちゃいけません。大変だわ(笑)」
※本稿は、『わが人生に悔いなし』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
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