「THE FIRST TAKE」という発明
「紅蓮華」のロングヒットを決定的なものにしたもう一つのファクターがある。それがYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の存在だ。
2019年11月に開設されたばかりだったこのチャンネルにLiSAが登場したのは12月6日のこと。紅白歌合戦初出場の直前というタイミングだった。真っ白なスタジオの中、ヘッドホンをつけたLiSAが1本のマイクに向き合う。
披露されたのは、アニメの派手な演出も、バンドの重厚なサウンドも削ぎ落とされた、ピアノアレンジによる「紅蓮華」だ。一発撮りの緊迫感あふれるパフォーマンスは、アニソンとしての話題性よりも、LiSAのシンガーとしての卓越した力量を伝えるものだった。
「THE FIRST TAKE」はどんな狙いのもとスタートしたのか。筆者は当時、プロジェクトのクリエイティブディレクターをつとめた清水恵介氏および運営スタッフにインタビュー取材を行っている(現代ビジネス「コロナ禍で大人気の『THE FIRST TAKE』、神回連発のウラに『圧倒的なこだわり』があった…!」2021年3月12日掲載)。