冬眠という冬の過ごし方
哺乳類の約6%の種が冬眠しますが、そのほとんどは体の小さなものたちです。クマは例外中の例外。クマは冬眠中に体温がわずか数度しか下がらないし、冬眠中に子供を生んで育てるという大仕事をやってしまいます。ちなみに同じ恒温動物でも鳥は冬眠しません。彼らは飛ぶという高速・省エネの移動手段を持っており、冬は暖かい地方に渡ってしまいます。
典型的な冬眠をするのは小さな哺乳類です。小さいと体の割に冷たい外気に触れる面積が大きく、熱が外へと逃げやすい。だから小さいリスのようなものが体温を保つのはすごく大変です。体の大きいものに比べて体重当たりにしてよりたくさん食べねば体温が維持できず、それだけの餌を冬に見つけるのはきわめて困難です。
そこで体温を高く保つのはあきらめ、ほぼ気温と同じくらいにまで体温を下げ、体をボールのように丸めて表面積の小さい姿勢をとり、巣穴の中でじっと眠ってエネルギーの消費を抑える。そして体に蓄えた脂肪を少しずつ使いながら、最低限の代謝で冬をしのいでいく。これが冬眠という冬の過ごし方です。
冬眠する小さい哺乳類と言えば、北海道のエゾシマリスと、本州のヤマネが代表的なものです。冬眠のことはエゾシマリスでよく調べられているので紹介しましょう。このリスは森に住んでいます。シマリスの名前のとおり、背中に黒い縞が5本走り、体重は100グラム弱、ハツカネズミとドブネズミの中間くらいの大きさです。北海道には他にニホンリスやエゾリスがいますが、これらはシマリスより体が大きくて冬眠しません。
シマリスは9月か10月に冬眠に入り、翌年4月か5月に巣穴から出てきます。シマリスの餌は主に植物のタネですが昆虫も食べます。春から夏にかけては木の洞や地面に掘った巣を何カ所か持っており、巣から巣へと移動しながら暮らしています。冬眠の前になると、地面に掘った巣の一つだけを使うようになります。
