真似から始まる
島田先生の作品をすべて拝見できているわけではないですが、先生はまさに役を生きておられました。それも、青白くスッと輝いている印象なんだね。
同じ新国劇でも辰巳柳太郎さんは「動の辰巳」、島田先生は「静の島田」と言われていたけど、辰巳さんが太陽だとすると、島田先生は月なの。そして僕もまた、鹿賀丈史が太陽の辰巳柳太郎だとすると、市村正親は月の島田正吾タイプなわけで。
その意味でもやっぱり、僕の芸道の親父は島田先生なんですよ。芸は真似から始まるというように、たとえば萬屋錦之介さんだったら、(十八世中村)勘三郎くんだったら……とイメージすることで、演じるうえでの拠りどころがまずできる。
そうして真似してやっているうちに役の気持ちが入ってきて、だんだん自分の表現になっていくんだけど。僕の場合はやっぱり、「島田先生だったらどういうふうに演じるかな」と考えることが多いよね。「もっとゆっくり喋るんだろうな」とか。(笑)