私にもっと体力があったら…

タフな人たちが本当に羨ましい。彼らはどんどん新しい景色を見て、新しい誰かと出会い、エッセイの燃料になるような体験をたくさんしている。私はただ天井を見つめて回復しているうちにどれだけ逃してしまったんだろうか。

私にもっと体力があったら。気力、行動力があったら……。

体力をつけたくてジムへ行ったこともあるが、ジムで体を動かす体力すらなくて、まともに運動できない。それに、ジムのインストラクターは大体、やたら元気で明るくて圧がすごいので、それもしんどい。

まずはジムへ行く体力をつけるための自宅トレーニングでもしてみようか、と夜な夜なゴソゴソやってはいる。(服を買いに行くための服がない……みたいだ)

ああ。本当は家から一歩も出たくない。できることなら、一年中、家のソファで過ごしたい。

それなのに、スマホを片手に他人のキラキラした生活を眺め、他人を羨むドス黒い嫉妬を解剖してキーボードを叩くエネルギーだけはこうして無限に湧いてくるのだから困ったものだ。

どうやらそっちのバイタリティだけは、化け物並みにあるらしい。

【関連記事】
斉藤ナミ「とうとう、私も嫉妬される側に!成功することは誰かの反感を買うことと同義なのだ」
斉藤ナミ「宗教2世の私は、母をまっすぐ愛せない。かつて私を〈愛のむち〉で打ち据えたあの手はすっかり老いて」
斉藤ナミ「母はエホバの証人だった。母と仲がいい人が羨ましい。父のギャンブルで宗教に走った母を、私は真っ直ぐに愛せない」

 

●ポッドキャスト『斉藤ナミと八木志芳の欲望ラジオ』はこちら