「トイレ!」が最期の言葉になることも…
動かない身体で「トイレに連れて行け」と言われても、ご家族としては転倒が怖いし、スムーズに介助できるか不安もあるでしょう。
でも転びそうになって怖い思いをしたり、便座に座れなくて失敗したり、へとへとに疲れたりと数回つらい思いをすると、たいていの場合、本人が諦めます。
患者さん自身が納得するまで、介護するご家族の体力が許す範囲でトイレに連れて行ってあげてほしいと思います。
「トイレ!」「おしっこ……」が最期の言葉になった看取りは、けっこうあります。ご家族の方がにこにこ笑いながら、その光景を語ってくれるとき、僕はなんだかうれしい気持ちになって、遠慮なく一緒に笑っています。
※本稿は、『死ぬまで生きる: 穏やかな死に医療はいらない』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
『死ぬまで生きる: 穏やかな死に医療はいらない』(著:萬田緑平/河出書房新社)
自身の最期をどう迎えるのか、それをどう選択するのか――。
2000人以上を看取った在宅緩和ケア医であり、ベストセラー著者。
その原点とも言える「本当に幸せな最期」とは何かを伝える1冊。




