このとき、私は32歳。当時は『ズームイン!!SUPER』という朝の情報番組に出演して忙しくしていましたが、介護があっても仕事だけは絶対に続けると心に決めました。金銭的な面でも大切でしたが、私が生きていくうえで、仕事は譲れないことだったのです。
母は私とこのまま一緒に暮らすことを望んでいましたし、私もそうしたいと思っていた。仕事と介護、どうしたら両立できる? 何が必要? と考えたとき、まず《相手》を知るべきだと思ったんです。
友人にもまだ経験者はおらず、私は介護についてあまりに何も知らなかった。だから、これから母がどうなっていくのか、そのとき何が必要なのかを知るために、介護福祉士の資格を取ることにしました。
介護福祉士は、介護に関する一定の知識や技能を習得していることを証明する、唯一の国家資格。幸い母は、病気がわかって数年は身の回りのことを自分でできる状態だったので、私も試験勉強ができた。
とはいえ、仕事は変わらずあるので、ふらふらになりながら、通信教育で2年、特養(特別養護老人ホーム)での実習を経て国家試験を受け、11年に資格を取得しました。
実習で食事介助や痰の吸引、排泄介助などを一通り経験できたことは大きかった。「知ること」は不安を解消してくれます。そんなわけで、母の介護が本格的になる頃には、私の準備は整っていたのです。いや、ギリギリ間に合った。(笑)