あらためて仕事に向き合おうと思って
28歳のときに長男を出産。育児と仕事を頑張ろうと思っていたさなか、息子が生後6ヵ月のときに保育園での事故で窒息死してしまったのです。2月2日のことでした。今でもその季節になると、あの日の寒さや、病院の無機質な霊安室、息子と対面したときのことをありありと思い出します。
私は、自分が仕事なんかしているから子どもが死んでしまったと自分を責めて、心のバランスを崩しました。見かねた両親が私を実家に引き取ることになり、夫を東京に残して1年ほど実家で療養することになったのです。
両親に温かく見守られるなか、幼い頃からある温室の植物に懐かしさを感じながら過ごすうちに、少しずつ現実を受け入れられたのでしょう。つらいのは自分だけではなく、夫も同じなのだと思い至り、少しずつ少しずつ立ち直って、また夫婦で仕事を頑張ろう、本気でデザインに向き合おうと思えるようになりました。
子どもは失ってしまったけれど、デザインという仕事が本当に好きなんだと再認識できましたし、今に至るまでの原動力にもなっていると思います。