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人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気に楽しく暮らすための知識をご紹介します
知り合いから、こんな話を聞かされることがあります。
「夫がリタイアしたんですけど、朝から晩まで家でグータラしているんですよ。出かけるでもなく、趣味を楽しむでもなく。どうせ家にいるのなら家事の一つも手伝ってくれればいいのに」
要するに、退職したご主人が家でゴロゴロしていることに奥さんはイライラしているというわけです。
そんなときこそ奥さんに試してほしいのが、思っていることとは反対の言葉をあえて口にすることです。
たとえば、「朝、ちゃんと起きてよ!」と思っていても、「これまでずっと働いてきたんだから、少しはゆっくりしていたら」といった言葉にしてみます。あるいは、「掃除くらい手伝ってよ!」ではなく、「掃除をするから、書斎にでもいてくれるかしら。それとも、掃除をしている間、ちょっと散歩でもしてくる?」といった言い方にするのです。
「言霊」という言葉があります。人は思いを言葉にすると、実際にその気になってしまうもので、たとえば、やさしい言葉を口にすれば、不思議なことに、やさしい気持ちになれるのです。
言われた側にもそれは伝わり、「退職してしばらく経つから、そろそろ何か新しいことでも始めようか」とか、「若い頃に好きだった趣味を再開してみようかな」というような前向きな気持ちにさせたりする力もあるのです。
