「老いては女房に従え」
かあちゃんの言うことっていうのは、老いてからの素晴らしい学びの言葉に満ち溢れてますね。だってどんなに女房の言うことを聞いたって、男にとってマイナスは1つもないもんね。
そりゃあ嫌だよね。一杯飲むたびに奥さんから「また飲んで!」とか叱られると。言われるたびに、ぞ~っとするんだけど、でも誰かに言われないと、ずっと飲んでるもんな、男って。
「老いては子に従え」っていうけれど、「老いては女房に従え」。
それが一番間違いない。これはもう宿命的にそんな風にできてるんじゃないかな。男っていうシステムが。
「手をつなぎ合う新婚夫婦 離せば倒れる年寄り夫婦」
これは私が考えた標語ですが、つまり、手を握り合うことの意味合いが変わったんですよ。若いときは愛を確かめるために握り合った手を、老いてからは支え合うためにつなぐ。手を離せば倒れちゃうんですよ。それゆえに“夫婦”っていうペアを組んだんですね。
そんな風にできてるんですよ、夫婦というものは。そこに細かい理由なんかいらないんじゃないかな。
夫婦円満であるのは、家庭内に女房っていうリーダーがいるからこそ。生物界で繁殖のエネルギーを失ったオスというのは群れから追放されるんだけど、追放されない要領が女房に従うこと。人生の中で初めて従うことの意味合いを学ぶ。それが老年じゃないかなあ。……このへんはただいま研究中ということで。
今日も、「はい」「今行きます」と女房に従いながら。





