ただ、戦争を知ってる俺たちは、戦争はもう起こらないと思ってたわけ。戦争放棄を保ってきたから。ところがウクライナや中東の戦争が、日本人の生活にまで影響を及ぼしてる。いずれ老人の俺たちは先に死んじゃうけれど、若い人にはちゃんと、戦争は起こしてはいけないんだと知ってほしいよね。
だから、人が健康で長生きをするのは、歴史を「つなぐ」という意味でも、すごく価値があると思う。今の目標はできるだけ長生きして、戦争体験を正しく伝えていくことだ。でも泣いて話したところで、若い人は話を聞かないから、いつもわかりやすい言葉で話すようにしているよ。
俺は大学の客員教授として、介護や福祉を勉強している学生に高齢者に関する講義をしているけど、レポートを読むと「自分たちは将来、年金をもらえないかも」と心配している学生もいる。
今の若い子は、将来一軒家に住みたいとか海外旅行に行きたいとか、そんな夢は持ってなくて、せいぜい駅に近い便利なマンションに住みたい、とか。「真面目に働いても思い通りにならない社会で、長生きしたいとは思えない」という感じだ。
閉塞感がある今だからこそ、俺は若い世代に、「おじいちゃんやおばあちゃん、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんの話を聞いておきなさいよ。歴史ってのは学びだよ」とよく言ってる。
きっと役立つから、「歴史を学んで、未来を考えて、今を作ろう」ってさ。温故知新だな。