「シフトワークをすると、絶対にがんになる」ではない

ここで強調しておきたいのは、「シフトワークをしたら、必ずがんになる」という話ではないということです。

疫学研究では、たとえば夜勤回数が多い女性で乳がんリスクが高いとする報告、男性のシフトワーカーで前立腺がんリスク上昇を示唆する報告などが出ています。

しかし疫学研究には、必ず交絡因子がつきまといます。交絡因子として挙げられるものに、生活習慣、ストレス、睡眠時間、食事内容、喫煙、飲酒、職場環境などがあります。単一の原因に絞れないのが現実です。

それでも、夜勤を含むシフトワークが「体内時計を乱す」こと自体は、疑いようのない生理学的事実です。そして体内時計の乱れが、ホルモン分泌、免疫、代謝、DNA修復といった、がんと深く関わる仕組みに影響を与える可能性がある。この点については、動物実験を含め、多くの研究が一致しています。