個人的な体験から、研究の意味が腑に落ちた瞬間
ここで少し、個人的な話をさせてください。筆者の母は、長く看護師として総合病院に勤務し、日勤と夜勤を繰り返すシフトワーカーでした。子どものころ、母はいつも忙しく、学校から帰っても家にいないことが多かったのを覚えています。「元気な母親だな」と思う一方で、どこか寂しさを感じていた記憶があります。
母は50歳代で看護師を辞め、その後は資格を取得し、日勤のみのケアマネージャーとして働くようになりました。しかし、60歳代後半で胃がんを発症し、70歳代には子宮がんも経験しました。
いずれも命に関わるほどではありませんでしたが、治療と不安を抱える時間は決して短くありませんでした。時間生物学を学び、研究を重ねる中で、「やはり、シフトワークは長期的に身体に負担をかけるのだな」と実感するようになりました。
もちろん、これは一つの個人的経験にすぎません。しかし、研究で示されているリスクが、現実の人生と重なった瞬間でもありました。