現実の厳しさも伝えたい
冨田さんはコロナ禍で感染症の歴史について調べる中で、明治時代の医療従事者が直面した厳しい現実を知った。
明治時代は、上下水道が未整備な地域も多く衛生環境が悪かったため、コレラや結核、赤痢など感染症が流行。佐倉順天堂で学んだ医師が、コレラの防疫のために井戸やいろいろなところに石灰をまいて消毒していたところ、「毒を撒いている」と誤解した地元住民によって殺害された事件があったのだ。
第1週でコレラの感染拡大が描かれた時には、SNSでは描写が「きれいすぎる」「嘔吐などの症状が描かれていない」などの声もあった。
冨田さんは「第1週でコレラが感染拡大しました。個人的には医療従事者の苦悩を辛らつに描いてもらいたい気持ちもありますが、えぐい、リアルな描写は、朝ドラという放送時間帯を考えると、演出上の配慮はどうしてもしなきゃいけない。朝ドラ本編は難しいと思いますがディレクターズカットでいかがでしょうかと冗談交じりの雑談をしたこともあります」と語る。
トレインドナースとして看護の知識を学んだりんや直美。劇中で2人が感染症に立ち向かう場面が描かれることもあるかもしれない。
「今後、また感染症が描かれる時には病気をめぐる現実の厳しさも描いてほしいですね。時代とともに医学が進化し、衛生観念も変わっていくので、これからの医療シーンに注目していただければ」と話している。