見上愛さん、上坂樹里さん主演で放送中の連続テレビ小説『風、薫る』(総合、毎週月曜~土曜午前8時ほか)。田中ひかるさんの『明治のナイチンゲール 大関和物語』(中央公論新社刊)を原案に、看護師という職業の確立に貢献した大関和と鈴木雅をモチーフにしたバディドラマだ。りんや直美の看護服、大山捨松の壮麗なドレス…。ドラマの衣装は作品に説得力を与える大事な要素だ。物語の舞台となっている明治時代前半は、西洋化が進み、近代医療・看護の黎明期であるだけに、服装も変化していく。美術スタッフに話を聞いた。(取材・文:婦人公論.jp編集部:油原聡子)
イメージカラーは設定せず
美術デザインチームはまず、脚本をもとに人物のデザインを考える。キャラクターの性格だけでなく、時代背景や当時の流行を考えて、デザイン面から人物を掘り下げるのだ。
映像作品では『あんぱん』主人公ののぶのオレンジのように、テーマカラーが決められていることがあるが、『風、薫る』では、キャラクターごとのイメージカラーは設定していない。
チーフデザイナーの川名隆さんは「チーフ演出から、キャラクターのカラーを1つに決めたくないというリクエストがありました。現実でも、人はさまざまな色を着るのでその考えには賛同します。ただ、ゴチャゴチャにならないようにキャラクターごとにキーカラーを2~3色は設定して、方向性は決めましたね」と明かす。
各キャラクターごとにイメージボードを制作。色だけでなく、「明るく前向き」「責任感が強い」などの言葉を書き込み、スタッフ間でイメージを共有した。りんは前向きなイメージで、明るい色を基本に大人っぽい紫を取り入れている。りんの母親、美津は家老の妻で高貴な生まれのため、紫や深いえんじ、緑が軸だ。
(『風、薫る』/(c)NHK)