直美の和髪は孤独の象徴?

『風、薫る』場面写真
(『風、薫る』/(c)NHK)

直美は髪型も独特だ。序盤は結い上げているものの、髪の束が一部揺れているヘアスタイルだった。佐藤さんは「日本人の一般的な和髪は、自分ひとりで結い上げることは、できないわけではないけれど難しい。だから、孤児の直美は自分ひとりでできるヘアスタイルがいいだろうということで、ポニーテール風に結い上げることになりました」と明かす。日本髪に寄せつつ、生活の邪魔にならないように直美が考えたのがあのヘアスタイルだったのだ。

劇中では、「風」がモチーフのひとつとしてさまざまな場面で表現されている。そのため、かつらメイクチーフの西口富美子さんがあえて「揺れる部分」として直美の髪を設定した側面もあるという。

劇中で、周囲の人が驚いたのが直美の断髪だ。詐欺師の寛太にだまされたことが分かった直美は、泣きながら髪の毛にはさみを入れた。直美のモチーフである鈴木雅さんをイメージしながら、少し先の時代のファッションや流行も参考にした。 

川名さんは「時代考証を行い、その上で番組独自のアレンジを加えています。直美が髪を切ることは脚本で決まっていました。制作陣が伝えたいこと、表現したいことを作るのが僕たちの仕事。かつらメイクの担当とお話をしつつ、時代を先取りした形になりますが、直美のヘアスタイルを決めていきました」と説明する。