直美の着こなしが独特なのは

色だけではなく、着こなしにもキャラクターの性格が反映されている。劇中でも、個性的なスタイルなのが直美だ。教会の前に捨てられ、東京で育った直美には、西洋的で自由な雰囲気を加え、モダンな印象にした。

NHKアートの美術進行チーフ、佐藤綾子さんは「直美の性格を考慮して、いろいろなものを取り入れていくパワフルさがあっていいと考えました。ちょっとユニセックスな雰囲気も意識しています」と明かす。

『風、薫る』場面写真
(『風、薫る』/(c)NHK)

日常着は、初回からよく着ていた紺の着物。これは一部にデニム素材を使っている。実は脚本に「西洋生地を含む端切れを不器用につぎはぎした和服」という記述があった。デザイナーの上田規子さんは「当時デニムは日本に入ってきていたので、生地として存在していても不自然ではありませんが、単純に継ぎはぎにしてもパッチワークのようになってリアリティーがなくなってしまいます。直美がいろいろな人からもらった布地をつなぎ合わせて作っているという意味で、適材適所に生地が使われるようなデザインを心掛けました」と説明する。直美は、着物の下にシャツを合わせていることもあるが、これはメアリーや教会の人たちからもらったシャツを着こんでいるのだという。

直美は着物の裾丈がほかの女性キャラクターに比べて短いが、これは少年のような着物の着方を意識したもの。佐藤さんは「直美を演じる上坂樹里さんは、ちょっと崩した着方をしないと存在感の綺麗さだけが際立ってしまうかもしれないと考えました」と説明する。