捨松の衣装は制作に3カ月
華やかな衣装が印象的なのが、鹿鳴館の華と呼ばれた大山捨松だ。捨松を演じるのは、17年ぶりの連続テレビ小説出演となった多部未華子。米国帰りで日本社会を変えようと戦う芯の強い女性を好演している。
捨松の衣装は、デザイナーの上田規子さんのデザイン画をもとにすべて新しく作った。上田さんは「捨松さんの写真は残っていますが、白黒で実際の色がわかりません。捨松さんを調べるうちに、精神的に自立している女性だと感じたので、かわいらしさよりシャープさを強調することに決めました。捨松さんのイメージをリスペクトしつつ、演じる多部未華子さんに似合うものを考えたんです」と振り返る。
(『風、薫る』/(c)NHK)
当時、鹿鳴館で女性がダンスを踊る際に着用していたのは、「バッスルドレス」と呼ばれる腰の後ろ側にボリュームがあるドレス。
白い大きな襟が印象的な赤いドレスは、捨松の写真を参考に制作した。片方の袖口だけで5メートルものレースを使い、ひだを作った豪華なもの。腰のリボンは着物の帯のような生地を使い、シャープさを出した。
通常の衣装は、制作にかかる時間は1カ月ほど。だが、捨松の衣装は3倍の3カ月という時間を費やした。佐藤さんは「捨松は当時の日本では最上級の装いをしていた人だから、リッチに見える必要がありました。でも、現代の生地は薄いものが多く、厚みが足りずにボリュームが出ないんです。重厚感が出しにくくて、リッチさを出すのが難しかったですね」と明かす。金糸の刺繍が入った生地やレースやフリルを大量に使って工夫。衣装チーフの張替由起子さん主導で、衣装製作の藤田とも子さんと話し合いながら、仕上げていったという。
(『風、薫る』/(c)NHK)