《親切》は生き残れるのか
調べてみると、確かに今年4月から国内の航空各社が加盟する定期航空協会で、機内への持ち込み手荷物に関する新たなガイドラインができたらしい。収納棚から荷物が落ちるといった事故防止のための対策だという。
だとしたら、最近そのようなガイドラインができたこと、手荷物の大きさや重さの規定だけではなく、自分の身長や体力を考慮せねばならなくなったのだったら(判断の基準を教えてもらいたいが)、そのことを丁寧に説明すればいいだけの話だ。
そうすれば友人も自分の背の小ささを悔やまずに済んだはずである。
CAに加勢したという客も客だが、ルールがどんなものであろうと、目の前で困っている人がいたら助けてあげるのが、最低限の人倫というものではないだろうか。
人間から親切心を省いたら文明は存続しない、ということを言っていた古代ローマの哲学者がいたが、こんなご時世だからこそ、親切かつ寛大さが途絶えないでほしい。
『歩きながら考える』(著:ヤマザキマリ/中公新書ラクレ)
パンデミック下、日本に長期滞在することになった「旅する漫画家」ヤマザキマリ。思いがけなく移動の自由を奪われた日々の中で思索を重ね、様々な気づきや発見があった。「日本らしさ」とは何か? 倫理の異なる集団同士の争いを回避するためには? そして私たちは、この先行き不透明な世界をどう生きていけば良いのか? 自分の頭で考えるための知恵とユーモアがつまった1冊。たちどまったままではいられない。新たな歩みを始めよう!






