女性
(写真:AdobePhotoStock)
noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬マニア」第31回は「女性に猛烈に嫉妬するからこそ、圧倒的な承認も得られる。〈嫉妬〉と〈承認〉は表裏一体構造になっている」です

前回「6月のSNSには、梅仕事をする人が大量発生。私は〈丁寧な暮らし〉に憧れるているのか?炊飯器も電子レンジもやめてみたが…」はこちら

私が嫉妬している相手は、女性ばかり

毎日嫉妬をしまくっていて、いい加減疲れてきた私は、最近、ミュートという技を覚えた。

あの人もこの人も……とSNSで嫉妬する相手をどんどんミュートしていったら、この世からほとんどの作家がいなくなってしまった。今では動物の癒し動画や、美味しい料理のレシピや、企業アカウントのお知らせばかりだ。

平和で快適だけど、ちょっと寂しい。心の平穏は保たれるものの、やはり少しは嫉妬をしないと「くそー! 私だって……!」という起爆剤がなく、燃えたぎるようなやる気は出てこない。

……と思っていたある日、突如、強烈な嫉妬が沸き起こった。

ミュートをしていたはずの彼女が、ある男性エッセイストの投稿に登場したのだ。
「僕の新刊の出版記念に、〇〇さんと対談イベントをします」というお知らせが、にこやかな二人の写真と一緒に流れてきた。

盲点だった! これはミュートでは防げない!

そっかー。この人、新刊出るんだ。ふうん。おめでとう。
くそー。〇〇さんは、あいかわらずのご活躍で!!

ふと、あることに気づいた。

……あれ、なんで私はこの男性をミュートしてないんだっけ?

ミュートしている人たちの面々を見れば一目瞭然。私が嫉妬している相手は、女性ばかりだった。