2つ目は「炎症」。インフルエンザや誤嚥性肺炎といったさまざまな感染症、関節炎、関節リウマチ、がんなどによって、長期にわたって体内に慢性的な炎症が起きると「慢性疾患性貧血」に繋がりやすくなります。

がんの場合、がん組織からの出血が鉄欠乏性貧血を起こすことも。その頻度は、大腸がんや胃がんなどの消化器がんに多いといえるでしょう。ほかにも、慢性腎臓病で腎臓の機能が低下すると、赤血球を作るホルモンの分泌が減って「腎性貧血」のリスクが高まります。

3つ目は、「薬の副作用」です。高齢者はさまざまな種類の薬を常用しているケースが多く、これらの副作用から貧血を引き起こすこともあります。

たとえば、血液をサラサラにする抗凝固薬や抗血小板薬は出血を起こしやすくしますし、がんの治療薬として用いられる薬剤が原因になることも。

関節痛などの痛みを和らげる非ステロイド性消炎鎮痛薬は腎機能を低下させて、腎性貧血のリスクを高めますが、飲む薬の種類が多い場合も同様の危険性があります。

また、骨髄で作られる血液細胞は高齢になるほど正常な赤血球や白血球を産生することが難しくなってしまうもの。そこに解熱鎮痛剤を長期服用することで、骨髄の働きがより抑制されることもあるのです。

最後に、高齢者に特に多い血液疾患として多発性骨髄腫や骨髄異形成症候群という病気があります。また、かつて抗がん剤治療や放射線治療をした場合は白血病を発症することも。

いずれも症状から貧血を疑われることもありますが、血液内科で専門的に診療される疾患です。新しい治療法もでてきていますので、専門家に相談しましょう。