(イラスト:おおつか章世)
最近どうも疲れやすい、少し動いただけで息切れがする、冷えがひどい――などの悩みはありませんか?これらを引き起こしている原因は、「貧血」かもしれません。「いつものこと」などと症状を放置すると危険な状況になりかねないと、血液内科の田中江里先生は言います(構成:山田真理)

年齢とともに赤血球を作る力は低下

生理期間中に貧血に悩んだ経験がある女性の場合、「よくある症状」「鉄分のサプリや食事で対処できる」と軽く考えてしまう傾向があるようです。しかし、シニア世代にとって貧血は、決して侮ってはならないもの。深刻な健康リスクが隠れていることもあるため、正しい知識と対処が必要です。

そもそも貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビン(血色素)が減少した状態のことをいいます。健康診断書の項目でいうと、「血色素測定」、あるいは「Hb」「Hgb」と表記された部分のこと。

世界保健機関(WHO)では、ヘモグロビン濃度が女性の場合は12g/dL未満、男性は13g/dL未満を貧血と定義しています。直近のデータが手元にある場合は、ヘモグロビン濃度を確認してみましょう。

年齢を重ねた体は赤血球を作る力が低下しています。そうして体のすみずみまで酸素を運ぶ働きをする赤血球が減ることで、息切れや倦怠感などの症状を引き起こしてしまうのです。

心疾患のある人は動悸や息切れを強く感じたり、腎臓病の人は足のむくみがひどくなったりなど、もともとの病気の症状がより大きくでてしまうことも。

ほかにも、貧血によるめまいやふらつきが転倒リスクを高めたり、疲れやすさのせいで外出が減った結果、筋力や認知機能の低下を招くこともあるのです。