脳の疲労がイライラや不安の原因になることも

では、脳の疲労によってどのような「症状」が私たちに出てくるのか。医学的にはいくつかの可能性が指摘されています。

脳機能の変化(主に低下)から直接生じる症状としては、各種のパフォーマンスの低下、集中力の低下、不安や抑うつ、意欲の低下、感情制御力の低下などを挙げることができます。パフォーマンスや集中力の低下は、「ちょっと疲れているのかもしれない」と直感的にとらえることができますから、まだ安心です。

しかし、「人間関係で以前なら受け流せていたことが引っかかり、強くイライラしてしまう」「一度気分が落ち込むと、ずっと沈んだ気持ちになる」などの意欲の低下、不安・抑うつ、感情制御力の低下はこころの問題のように見えるだけに、本人も周囲も深刻にとらえてしまいます。これらの症状は、主に大脳の前頭前野の機能と直結するものです。脳の疲労は、こうした前頭前野機能の低下として知覚されるのかもしれません。

脳の疲労によって身体的にも症状が出ることが知られており、睡眠の質の低下、身体の痛み、胃腸の不調、食欲の異常などが生じます。いずれかを経験された方も多いのではないでしょうか。すべて、健やかで安寧な社会生活を送るうえでの大きな障害となります。

特に「悪い脳の疲労」によって、そうした症状が出ているのだとしたら、まずは脳が疲労していることを知覚し、そして意識的に脳をリフレッシュさせる努力をしなくてはいけないと思います。

※本稿は、『脳を休める!』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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