長く使っている入れ歯は現在の状態を歯科で確認しよう
私は30年にわたり、高齢者の介護に携わっていますが、80代にもなるとほぼ全員が入れ歯をしていらっしゃる印象です。
デイサービスや高齢者施設では、お食事の後に入れ歯をお預かりして、ていねいに歯ブラシで汚れを落とし、洗浄するのが大事な仕事になっています。
お口の中の状態は年齢とともに変わり、徐々に歯茎は痩せていきます。長く使っている入れ歯が合わなくなるのは当然です。数年単位で入れ歯の作り直しが推奨されているのは、そのためでしょう。
しかし、費用や通院の手間もあり、長期間、同じ入れ歯を使っている方も少なくありません。合わない入れ歯を使い続けると、うまく噛めない・痛みがある・外れやすいなど、さまざまな弊害が現れて高齢者の方をてこずらせます。
入れ歯の不具合でよく噛めないと、食べる意欲がそがれ、低栄養になるのも大問題です。
食べることばかりでなく、噛み合わせがうまくいかないことが原因で、肩こりやめまいなど、別の不調を引き起こすことも。上手にしゃべれなくなり、他者とのコミュニケーションを避けて閉鎖的になるのも見過ごせない点でしょう。
まだまだ、問題があります。顎関節症や誤嚥性肺炎を引き起こし、認知症にまで影響が……。入れ歯の不調で噛む力が低下すると、脳への刺激が減り、認知症リスクが約2倍に跳ね上がるのです!(日本顎咬合学会調べ)
つまり、合わない入れ歯を放置しておくと、百害あって一利なし。
逆に言えば、きちんとフィットする入れ歯を装着すると、よいことしかありません。痛みもなくよく噛めて、栄養不足や誤嚥性肺炎を回避できるだけでなく、認知症を遠ざける効果まで。だから、「入れ歯を直したら、食欲が戻って元気になった!」「よくしゃべるようになって、明るくなったみたい!」となるのも当然なのです。
10年以上前の入れ歯はすぐに歯科で調整!
※本稿は、『自宅で暮らしたい「介護未満」の親の支え方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
『自宅で暮らしたい「介護未満」の親の支え方』(著:藤原清明/青春出版社)
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