新常識 本はときどき音読する
声に出して読むと認知症リスクが減る
人に聞かせるアウトプットの練習で大事なのは、声に出すということ。どう伝えるべきかを考えながら、声に出してしゃべることは、前頭葉を活性化させます。
声に出すことは、知識のインプットでも効果があります。本を読むときも、音読すると理解が深まるからです。
黙読すると、言葉は脳で文字として認識され、言葉の意味を理解するだけで終わってしまいます。
これに対し、音読は記憶や情報を組み合わせて、自分なりの考えを導き出す機能を高めてくれます。
もちろん、一冊の本をすべて音読するわけにはいきませんが、読んでわかりにくい部分は、音読するとわかることがあります。
また音読すると、文字の意味だけでなく、文章のリズムも体感できます。このリズム感は、人に話して聞かせるときにも生かされます。
声に出すと、もうひとつのアウトプットである「書く」という作業にも役立ちます。人に読んでもらえる文章の勉強にもなるのです。
声を出す習慣は、認知症の予防にも役立ちます。私が診ている認知症の患者さんで、詩吟のたしなみがある方が何人かいらっしゃいます。
詩吟をたしなむということは、声を出す習慣があるということです。この患者さんたちに共通するのは、他の人たちに比べて認知症の症状の進行がゆるやかだということです。だから、声を出すことは脳を活性化させるという実感があります。
声を出す習慣がないと、食べものを嚥下する能力も衰えやすくなります。その結果、誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まります。
2024年の日本人の死因の第6位は誤嚥性肺炎(肺炎は第5位で、肺炎と誤嚥性肺炎を合わせると第4位)です。高齢者の飲み込み障害に対するトレーニングとしても、声を出すことは効果があります。
いずれにしても、人に聞かせる練習をするときは、実際に声に出すようにしてください。頭の中で考えるより格段に上達するでしょう。
※本稿は、『死ぬまで楽しく生きる本』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
『死ぬまで楽しく生きる本』(著:和田秀樹/エクスナレッジ)
残りの人生をいかに楽しく、安心して生きるかについてまとめた本です。
自分のために、家族のために。
最期まで「私らしさを失わない」ためのヒントが満載です。





