内閣府が公開した「令和7年版高齢社会白書」によると、令和6年10月1日時点での65歳以上人口は3624万人で、総人口に占める割合は29.3%だったそうです。高齢者医療の現場に長年携わる精神科医・和田秀樹先生は「仕事や子育ても一段落したいまこそ、他人の目など気にせず、好きに行動すべき」と語ります。そこで今回は、そんな和田先生の著書『これだけでいい!老けない!ボケない!和田式「アウトプット健康法」』より一部を抜粋してお届けします。
心にも脳にも“毒”となる「自己否定」と縁を切る
日本人は、他人もさることながら、自分をほめるのがさらに苦手です。
「まだまだです」「大したことはしていません」
つい、そんな言葉が口をついて出る。「謙遜は美徳」なのは一面正しいと思いますが、その“縛り”がやや強すぎるのではないでしょうか。
私は、精神科医として長年患者さんを診てきて、「自分をほめない習慣」は、心と脳にとってマイナスだと感じています。
高齢になると、どうしても「できなくなったこと」に目が向きます。
物忘れが増えた。足腰が弱った。以前のように速く文が読めない。すると自己評価が下がり、「自分はもうダメだ」と思い込んでしまう……。
これが意欲低下につながって、外出や会話が減り、脳への刺激も減ってしまうのです。だから私は、よく患者さんに言います。
「できなかったことではなく、できたことを数えてください」と。
たとえば、今日は散歩に出かけた。友人と電話でおしゃべりした。新聞を隅から隅まで読んだ。どんな小さなことでもかまいません。それを声に出して、「自分はよくやった」と認めてあげることが大事なのです。
