目を瞑れば、そこはもう……

ぬいぐるみには、〝それまで自分がいた場所の匂いを保持する〞という特性があります。
ということは。
ぬいと一緒に旅行をしている限り、あなたは、自分の家の匂いを一緒に連れて旅行をしていることになるんですよね。
これは、旅行より、病気になって入院した時なんかに顕著になる特長なんですが。
ぬいを一緒に連れてゆけば、もう、あなたは、寂しくない! だって、ぬいは、あなたの家の匂い。ぬいを抱いて一緒にベッドにはいれば、そして、目を瞑れば、そこはもう、あなたのベッド!


ぬいさえいれば、あなたはもう安心。だって、そこにあるのは……あなたの家の匂いなんだもん。(特に、小さなお子さまと一緒に旅行をする時なんか、これは素晴らしい利点だと思います。たった一匹の――ないしは数匹の――ぬいを連れているだけで、子供にとって、そこは〝家〞の匂いになっちゃうんだもん。子供だって安心できるよね。)
これが、私が〝絶対に旅行にはぬいさんと一緒に行く〞理由です。

で、それとは別に。うちが必ずやっているのが、〝ぬいみやげ〞を買うこと。
最初のうちはそんなことまったく考えていなかったのですが、のちに、各地で撮ったいろんな写真を見返しているうちに、「これはどこで撮った写真なのかがまったく判らない、ということは、この子はどこに旅行したんだか判らない」って事実に気がつき……これだけはやろうと思っていることです。


いや、その前に。うちのぬいさんの数と、旅行ができる回数が、まったく等式であらわせない。これが大問題。ぬいさんの数に対して、旅行する機会の数が、圧倒的に足りない。まあ、私も旦那も人間ですので、どうしても〝お世話になっているぬいさん〞〝仕事として旅行について来て貰わないといけないぬいさん〞〝そんなことしちゃいけないんだけれど何となく贔屓しているぬいさん〞が発生してしまい……気がつくと、〝何回も旅行やってるぬいさん〞〝ずっと前からうちにいたのにまったく旅行なんかしたことがぬいさん〞ってものが発生してしまい……。しかも、後者の数が、圧倒的に多い。
まずい。
これは、まずいなんてものじゃない。