(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が2025年に実施した「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の者のいる世帯のうち、一人暮らし(単独世帯)の割合は全体の33.8%で最も多い形となっているそうです。そんな中、東北大学名誉教授であり脳神経科学を専門とされている虫明元先生は「今、日本のみならず世界中で『孤独』が大きな問題になっている」と警鐘を鳴らします。そこで今回は虫明先生の著書『孤独脳 脳のSOSに気づき心と体を壊さない30の方法』より一部を抜粋し、「孤独感に振り回されず、健康で自分らしく生きるヒント」をお届けします。

認知症は誰にでも起こりうる老化現象

「老い」を意識し始めると、多くの人の頭に真っ先に浮かぶのは、「認知症になったらどうしよう?」ではないでしょうか。

厚生労働省をはじめ10省庁および内閣官房、内閣府が共同で策定した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」の発表によると、2022年の認知症の高齢者数は約443万人、認知症予備軍といわれるMCI(軽度認知障害)は約559万人と推計され、合計で約1000万人を超えています。この数字は、65歳以上の高齢者の27.8パーセント、約3.6人に1人が該当します。

また、85歳以上になると認知症の高齢者は40パーセントを超えるといわれています。さらに、2040年には認知症の高齢者数約584万人、MCI約613万人、両者合わせると高齢者の30.5パーセント、約3.3人に1人が該当すると予測されています。

発表の中に、もはや「認知症がごく当たり前の社会」「認知症とともに歩く時代」との表現も見られるように、症状に個人差はあっても、高齢になれば老化現象として、誰もが認知症と無縁ではいられないと考えたほうがよさそうです。