いま思うと、20代のほとんどを、人気が出た役のキャラクターに苦しめられていたような気がします。懐かしい話ですが、ほら、あの頃は吉田栄作くんと加勢大周くんと僕が「平成の御三家」なんて呼ばれて、キャラクターも勝手につくり分けられていまして。

インタビューで話したことはほとんど書いてもらえないし、言ってないことばかり書かれるし。それで、二人とは会ったこともないの。(笑)

いまはSNSで自分の考えを発信できる時代ですけど、当時はそういうツールもなかったので、音楽をやることで、詞に「織田裕二ってこういうヤツですよ」「カンチとは違うよ」「最近はこんなこと考えてます」という思いを込めたりしていました。

僕が演じていて楽しいのは、突出した才能を持っていても、どこか欠けたところがあるキャラクター。ちょっと欠点がある人のほうが面白いし、友達になりたいと思う。だから役づくりのうえで、事前に監督やプロデューサーに「こんな欠点どうですかね?」と提案させてもらうことはわりとよくあるんです。

だけど、『振り返れば奴がいる』のダークな天才医師・司馬先生みたいに、四六時中、気を張っているのは疲れる。個人的に司馬先生はかっこいいから好きなんですが、自分に近いかと聞かれれば絶対に違うし。『お金がない!』の萩原健太郎という青年は、太陽みたいに明るくていいヤツだけど、あそこまで元気ハツラツだとやっぱり疲れる。(笑)

そろそろ「自分が好きだと思えて、自然体で演じられる役をやりたいな」と思っていた僕にとって、青島はまさに等身大のキャラクターでした。だから、役をつくり込みすぎていないとも言えるかもしれません。そして、29歳の青島と同様、58歳の青島も、肩ひじ張らずに演じることができました。

<後編につづく>

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