海洋の成層化

一方、黒潮は海面の水温が冬18℃、夏27℃ほどの暖流で、水温は海底より海面のほうが高くなる。その結果、海水の密度は海底より海面が低くなる。

こうした黒潮では、上昇流がほとんど発生せず、上下方向に海水が移動しない、いわゆる「海洋の成層化」が起きる。海洋の成層化とは、海水が海面と海底とで層状に分かれた状態をいう。

黒潮では、海底に溜まった栄養塩が海面に運ばれることがほとんどないため、植物プランクトンが繁茂せず、動物プランクトンも少ない。このような黒潮は透明度が高く、遠くから見ると青みがかった黒に見えることから、この名前が付けられている。

本来、暖流の黒潮は本州北部に到達すると、オホーツク海から南下する寒流の親潮と出合い、温水と冷水が混ざり合った潮目が形成される。潮目は、生命維持力が高く高生産性の海水であり、魚介類にとって餌の豊富な海域となる。しかし、先述したように現在、親潮の流れの勢いが弱まっているために黒潮と衝突する際に形成される潮目は広く拡散し消失している。東北・北海道沖の海域はサンマの成長にとって、動物プランクトンが増殖する良い餌場ではなくなってしまった。