2025年に大病を患い、一度に食べられる量が減ってやせてしまったという「シェ松尾」元オーナーシェフの松尾幸造さん。「少量でも栄養のある食事を」という医師の言葉が、食事についてあらためて考えるきっかけになったと話します。そんな松尾シェフが、シニアのために、フランス料理の技法を応用し、少量でもしっかり栄養がとれ、おいしく食べられるレシピを考案。『いくつになっても、おいしく美しく食べる 78歳、シェ松尾元オーナーシェフの食事術』より、一部を抜粋して紹介します。
野菜は歯応えを残すと主役になる
「野菜はビタミンや食物繊維が豊富なので、積極的にとったほうがいい」というのは、みなさんもよくご存知のことだと思います。
くたくたになるまで加熱したり、細かくして形や食感をなくしたりするのも一つの方法かもしれませんが、ここで提案したいのが、あえて歯応えを残すように加熱することです。
野菜それぞれに合った火入れをすることで、適度にコントロールされた心地のよい噛み応えになります。使うのは、キャベツや玉ねぎなど、加熱しても繊維の質や芯のコシが残る野菜がおすすめです。
少しの量しか食べられないという高齢の方でも、少量をゆっくり、しっかりと噛むことで、野菜の風味を堪能することができますし、噛むたびに変化を感じられて立体的な味わいになり、野菜が付け合わせから主役に格上げされるのです。
そして、なんと言っても食べた時の満足感、幸福感は格別です。