2027年放送予定のNHK大河ドラマ第66作は、『逆賊の幕臣』です。松坂桃李さん演じる主人公・小栗上野介は「江戸幕府の末期を中枢で支えた幕臣」とされますが、名前を聞いたことはあっても、どんな生涯を送った人物なのかよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。幕末維新期が専門の塚越俊志先生は「小栗の生涯を振り返ることによって、日本の近代化の原点が見出せる」と語ります。そこで今回は塚越先生の著書『小栗上野介-「逆賊」とされた開明派幕臣』より一部を抜粋し、小栗上野介の「幕府の命運に殉じた42年の生涯」をお届けします。
小栗忠順の活動について
激動の幕末期に外国奉行、勘定奉行(4回)、陸軍奉行並、軍艦奉行、海軍奉行並などの要職を歴任した小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)(1827〜1868)。
幕政の中枢を担った重要人物だが、知名度という点では同時代を生きた勝海舟にははるかに及ばない。
小栗忠順 (写真:『小栗上野介-「逆賊」とされた開明派幕臣』より)
教科書で扱われることもなく、日米修好通商条約批准書交換のために日本から派遣された万延遣米使節団にしても勝海舟が乗った咸臨丸(かんりんまる)が取り上げられてきた。
咸臨丸は随行艦にすぎず、使節団の代表は小栗忠順らであって、本来なら小栗らが大きく取り上げられるべきであろう。ここでは、小栗の活動を広く明らかにし、その業績を見直していく。