亡くなった人だけの問題ではない
「同居の孤独死」は、亡くなった人だけの問題とは限らない。
発見が遅れれば、残された同居人の健康状態が悪化する恐れがある。自治体関係者によれば、実際に夫婦が遺体で見つかる「共倒れ」も起きているという。親とひきこもりの子が2人で暮らす世帯では、親が先に亡くなった場合、子どもが社会から完全に孤立する危険がある。
国や自治体は身寄りのない高齢者の孤独死対策に取り組んでいるが、「同居の孤独死」はまだ行政課題として十分に認識されていないのが実情だ。
高齢化が進む日本で、これは決して他人事ではない。夫婦2人暮らしだから安心。子どもが同居しているから大丈夫――。そうした思い込みが危うくなっている。
大切なのは同居人がいるかどうかではなく、互いの様子を気遣えているかどうかだ。近所付き合いを保ち、地域活動に参加する。介護が必要な家族がいれば、早めに地域包括支援センターや民生委員などとつながっておく。そうした結びつきを強めておくことが、異変に気づく目となる。
「同居の孤独死」は、誰かと暮らしているあなたや私自身にも起こりうる。超高齢社会を生きる私たちの足元で、静かに広がるリスクなのである。