やり方がわからない

また、アイス飲料の場合、「アイスコーヒー」といったボタンがあるのだが、それを押せばアイスコーヒーが出てくるわけではないことが多い。まず別置の製氷機でカップに氷を入れ、そのカップにディスペンサーでアイスコーヒーのボタンを押して飲料を注がないといけない。注がれるのは少量の濃い飲料で、カップに氷が入っていることが前提となっている。

そのことを知らずに、氷を入れないで直接ディスペンサーのアイスコーヒーのボタンを押してしまうと、濃い少量の飲料が出るだけで、むなしさが残ることになってしまう。後で氷を入れればいいと思って製氷機のボタンを押すと、氷は勢いよく出てくるのですでにカップに入っている飲料が飛び散ってしまい悲惨なことになってしまう。

『ミスによる事故をどう防ぐか-4種のヒューマンエラーと組織の安全文化』(著:松尾太加志/中央公論新社)

コンビニのセルフコーヒーも氷を入れたカップを用意する必要があるが、コンビニの場合、事前に氷入りのカップを買うようになっているため、氷を入れ忘れるミスは生じない。

大丈夫と思ったけど

さらに、飲料を運ぶときに、ミスをしてしまうこともある。友人や家族の分もまとめて席に持っていこうとして、トレイにたくさん載せすぎてこぼしてしまったことはないだろうか。

また、熱い飲料の場合、紙コップを持っている手が熱くならないように、2つのカップを重ねて使うか、スリーブ(カップに袴のようにはかせる厚紙の輪)をつけたり、カップホルダーを使ったりするなど、事前の対策をしないと手が熱くなってしまう。最悪、熱さに耐えられず手を離してしまい、こぼしてしまうことになりかねない。いずれも大丈夫だと思って失敗してしまうケースである。

とにかく、いろいろなミスをしてしまう。そんなとき自分が失敗したと思う。「あ、間違った」と自分自身で思う。当人は、「ほんとうだったらできることなのに間違ってしまった、悔しい」という思いがある。それがヒューマンエラーである。