なぜ「ヒューマン」がつくのか
もう少し、定義にお付き合いいただきたい。なぜ、「ヒューマン」という言葉を冠するのかである。それは人間のエラーではないエラーと区別するためである。
たとえば、ドリンクディスペンサーの場合、機器の故障で飲み物が注がれないこともある。機器の故障であれば、それはヒューマンエラーではない。区別が必要なので、それが人間のエラーであれば、「ヒューマン」とつける。
言い換えると、区別する必要がない場合はあえてヒューマンエラーという言い方はしない。たとえば野球の守備のエラーがそうである。スポーツは道具を使うが基本的には人間だけでおこなうもので、人と人とのパフォーマンスの競い合いである。そのため、仮にエラーがあったとしても、どの人間のエラーなのかが問題となるだけである。あえていえばすべてヒューマンエラーであるが、区別の必要がないから、ヒューマンエラーという言い方をしない。
一方、私たちがモノを使ったり機器を使ったりする場面で、人がモノや機器とやりとりをする中で何か不具合があったとき、人間側の行動による場合とモノや機器側の問題の場合が考えられる。モノや機器側の問題であればヒューマンエラーではないし、人間側の行動によるものであればヒューマンエラーとなる。