NYの自宅でzoom取材に応じてくれた和央さん。インタビュー途中、在宅していたフランクさんが声をかける場面も

NYでは7月20日から、「フェーズ4」(経済を再開する最終的な段階)に入って、今はレストランの屋外席で簡単な食事を取れるまでになりました。それでもインドアのエンターテインメント再開はいまだメドが立たず、ブロードウェイも閉鎖されたままです。この状況ばかりは、自分ではどうしようもありません。ですから、今だからこそできることを、ポジティブにやってみようとしています。

ひとつは、NY暮らしをあらためて見つめ直したことです。夫のフランクは、世界中で上演されるミュージカルの作曲を手がけています。それまで私も、彼の仕事とともに全世界を回る日々で、NYに家がありながら、ひと月以上住んだことがなかった。今回、家に閉じこもることになって、この時間を愛おしむのもいいな、と。

ステイホームではフランクと、愛犬の「どんどん」と、99.9%一緒。楽しいですよ。2人でよくしゃべります。フランクはとにかく怒らない人だから、普段からケンカをしない夫婦なんです。クマさんみたいな彼と、どんどんとで、動物家族みたいな雰囲気になっていますけどね。(笑)

家にフランクのグランドピアノがあって、つねに音楽が身近なところも、気持ちをポジティブに保てる一因かもしれません。部屋からは眼下にハドソン川が望めるのですが、それはフランクが川や海など「水」がないと曲を作れない人だから。私も水が好きですね。

もうひとつ、ステイホームのおかげだな、と思っているのは、リモートによる会合が一気に広まったことです。離れた場所にいる友人たちと、オンライン、オンタイムで話すことが普通になりました。

宝塚歌劇団時代の友人とも、これまではなかなか会えなかったのが、約束さえすれば、対面できるようになった。ファンの方々とzoom partyをしたり、NYまでお手紙を送っていただいたり、嬉しかったです。実は明日も宙組時代の下級生とオンライン飲み会をするんです。時差があるから、こっちは朝からになるんですが。(笑)