「(NYの)街はまったく元気がないけれど、それぞれがタフで強い……やっぱり私はこの街が大好きだ!と心が震えました」(和央さん)
新型コロナウイルスと闘う医療関係者への感謝を込めて、和央ようかさんが企画した「One Heart PROJECT」。彼女の退団公演の楽曲「One Heart」を、夫のフランク・ワイルドホーンさんの伴奏で、宝塚現役トップスター5人とともに歌唱する動画が話題に。和央さんが住むNYの現状も聞いた(構成=清野由美)

ロックダウンしたNYと奇跡に近い日本

新型コロナウイルスへの恐れはいまだ世界から消えていませんが、3月から5月にかけてのニューヨーク(NY)は、今、思い返しても本当にひどい状態でした。

私が日本からNYの家に帰ったのが3月3日。7日にNY州知事が緊急事態宣言を発令し、22日からロックダウンがスタート。街中に救急車の音が響き渡り、CNNのニュースは、ほぼ100%コロナ関連に。毎日、新規の感染者数とともに、亡くなられる方の数がどんどん増えていきました。

生活に必要な店以外はすべて閉鎖された街で、人々はみな自宅待機を強いられ、外出の機会は2週間に1度の買い出しだけ。親、親戚、友人と、身近な人が犠牲になるニューヨーカーも多く、社会全体がパニックに陥っていました。

そんなひどい状況でも、明るさを失わなかったところは、さすがニューヨーカーだったとも思います。たとえばスーパーでの買い物は、ソーシャル・ディスタンスを取る必要があって、2時間も並びました。それでも怒る人は誰もいなくて、「みんなで乗り切っていこう」と、目やジェスチャーで、エールを送り合う。街はまったく元気がないけれど、それぞれがタフで強い……やっぱり私はこの街が大好きだ!と心が震えましたね。

NYから見ると、死亡率がケタ違いに低い日本の状況は、奇跡に思えます。ただ、医療現場の方々が偏見にさらされたり、感染された方が批判の的になったりという話を聞くと、心が痛みました。

感染は誰にでも起こりうることで、本人の罪ではありません。ニューヨーカーは、その点がはっきりしていて、決して個人を非難しない。そこが救いでしたね。