テレビドラマ『当確師』(テレビ朝日系)は12月27日放送
地方選から国政選挙、そしてアメリカ大統領選挙まで――。わたしたちが投票する選挙の背後には、その勝敗を左右する「選挙コンサルタント」が暗躍しています。そんな知られざる存在を小説に描いた真山仁さんの『当確師』が、12月27日放送でテレビドラマ化されることになりました。主人公の聖達磨(ひじり・たつま)を演じるのは、『半沢直樹』での怪演が話題になった香川照之さん。原作者の真山さんが見た、撮影現場での香川さんの姿とは(撮影:本社写真部)

香川照之さんと交わした言葉

――テレビドラマ『当確師』(テレビ朝日系)の撮影現場に訪問されたそうですが

現場では主演の香川照之さんと少しお話をしました。香川さんが演じたのは、主人公の聖達磨。テレビ朝日は「ダークヒーロー」と表現していますね(笑)。政治のドロドロの世界を生き抜き、目的のためなら手段を選ばず、人を人とも思わない、アクの強い人物です。普通、ドラマの主人公はキラキラした存在が多いのですが、この作品の主人公は決してそういうわけではない。香川さんも「(演じる際は)聖の得体の知れなさ、胡散臭さみたいなものを出せたら」とおっしゃっていました。実際に演技をされている姿も拝見しましたが、本当に何を考えているかわからない得体の知れなさがあって、引き込まれましたね。

――ドラマ化の話を聞いた時はどのようなお気持ちでしたか?

『当確師』はもともと、若い人に政治や社会に関心を持ってほしいと願って書いた小説です。政治は本来、自分たちの生活に密着した身近なもので、「あなたが知恵を絞ればいまの政治を変えられるし、世の中も変えられるかもしれない」と伝えたかった。自分たちの理想とする社会を目指すなら、まず私たちにできる政治参加の手法は選挙です。だから、選挙に興味を持ってもらえるエンターテインメント小説にしよう、と。さらに小説だけでなく、この作品が映画やドラマになって、多くの人に届けばいいな、と思っていました。なので、本当に喜ばしいです。

――実際に『当確師』を読んだ方からの反響はありましたか?

新幹線に乗ったときに、車内で『当確師』を熱心に読んでいる方を何回か見かけたことがあります。スーツ姿で議員バッジのようなものをつけていたので、議員やその関係者かと。あとは、地方で講演会に呼ばれたときに、落選された方から「主人公・聖のモデルを紹介してください」と頼まれたこともありました。日本には国会議員だけでなく、地方議員や議員候補の方がたくさんいて、そうした方々からの反響も大きかったです。