「人と距離をとらなければならない時代に、より広くつながれるって面白いですよね。」

制約のなかでもステップアップできる

2020年は、新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。当初は未知の状況にどう対応したらいいかわからず、仕事も一時はストップ。大きなところでは、僕にとって初めてのドームライブが中止になり、劇団☆新感線の舞台『神州無頼街』も2年後に延期となってしまった。それはもちろん残念なことに変わりはありませんが、一方で、自分で動き出して試行錯誤すればエンタメの可能性を見つけられることにも気づいたのです。

たとえば、アニメのアフレコは念入りに感染対策をしながら、人数を減らして収録したり。10月には、『神州無頼街』の延期をうけて企画された二人芝居『カチカチ山』に出演させていただいて。これは僕にとって人生最大のチャレンジになりました。

何しろ《密》を避けるための二人芝居です。こんなに出ずっぱりで喋り続けたことはないというくらい、セリフ量が膨大で。それだけに、全公演を無事に終えられたことは大きな自信になりましたし、制約が多い状況下でもステップアップできることに驚きました。よく《ピンチはチャンス》と言いますが、それを肌で感じましたね。

アーティスト活動においても、スタッフたちと新しいアイデアを模索してきました。「コンサートは無理だけど、制作はできる。動画配信で発信することもできるよね」と。そんななか、12月に初めてオンラインライブを世界に向けて生配信させていただけることになりました。これも、コロナ禍で生まれた新たな挑戦です。