自分がいろいろ調べたせいか、何の気なしにつけたテレビで、

「あ、この人もすごく研究したな」

とわかる人がいる。タレントさんはプロのメイクがつくのだろうが、そうでない出演者だ。

明るくなるよう白のきらめきパウダーをはたきチークもしっかり入れてと、セオリー通りなのだが、赤が効きすぎていたり、顔全体が発光しているように見えたりする。ライトとの関係がありそうだ。電球の色とか当たる向きとか。

「女優ライトがありますよ」

リモート会議のとりまとめ役の女性が教えてくれた。

クリップで挟んでテーブルに取り付けるリング型のライトだそうだ。オンラインできれいに映るとの評判で、品薄が続いているから、買うなら早めがいいと。

1回のリモート出演のため、

「そこまでしなくてもいいな」

とライトなしで臨むことに。そして急転直下、スタジオの使用制限も解除となって、リモート出演そのものがなくなった。コンシーラーも結局、実験の1回のためであったか。

ウェブカメラそのものは、その後も使っている。

番組の打合せは引き続きリモートだ。初めは不慣れでもたつく場面もあったが、それでも全体としての時間は圧倒的に少なくてすんだ。

コロナ以前は1時間足らずの打合せのために、往復2時間かけていた。それが省けるのはいかに楽かを知ってしまった今、元に戻すのは難しい。

オンラインの飲み会が広まるわけがわかる。飲んだ後、混んだ電車で帰る必要も酔っぱらいにからまれる心配もない。終わったらすぐに寝られる。

ウェブカメラを切れば、「瞬間移動」ができるのだ。

対面ならではのよさのあるのを認識しつつ、オンラインと使い分けていきたい。