またもや試練が訪れる

やっと日常を取り戻した1年後、またもや試練が訪れた。今度は眼科。定期検診で眼球の異常を告げられたのである。硝子体(しょうしたい)に穴が開き手術が必要とのこと。コロナでピリピリしている猛暑のなかでの入院だった。

部分麻酔での手術は怖く、術後は10日間の安静。痛みこそないが、うつぶせ寝の闇の中で過ごすのは不安だった。さらに視力が完全に回復するまでひと月近くかかったのである。

大腸がんから5年経過して安心したのもつかの間、2度の胃がん手術、そして1年後の目の手術と、病気のオンパレードのこの数年。病は音もたてず静かに忍び寄ってくることを実感した。

人生100年とは言うが、70歳まで生きて、この先は誰かの世話になる日もくるのだろうか。人に迷惑をかけずにこの世を去りたいが、寿命ばかりは決められない。何かと生きにくいこの頃だが、命あることに感謝して、ただ日常を生きていくしかないのである。


※婦人公論では「読者体験手記」を随時募集しています。

現在募集中のテーマはこちら

アンケート・投稿欄へ