第一子の柊乃助(しゅうのすけ)さんを抱く、三平さんと国分佐智子さん(写真提供:ねぎし事務所)  
 

二人の娘ーー美どりと泰葉との距離感

私は新聞の身の上相談をやっていましたから、「歳をとったら、やはり頼りになるのは実の娘だ」と考える人がいるのも知っています。むしろ、血のつながらない嫁ではなく、気心が知れた娘にあれこれ頼みたいという人のほうが多いかもしれません。

でも私は「ちょっと具合が悪いから来て」と呼び出してまで、娘の世話になりたいとは思いません。毎日の生活を支えてくれているのは嫁なのに、「頼りになるのは娘だ」みたいな態度をとられたら、嫁も嫌な気持ちがするじゃない。

それに長女の美どりは向こう(峰竜太さん)との家庭がありますし、幸せに暮らしてくれればいい。泰葉は療養中ですから、生活をちゃんとしてくれればいい。2人とも60を過ぎたいま、彼女たちの人生にうるさく口は出しませんし、同様に、実家のことで気をわずらわせる必要もないと思っています。

とはいえ、電話をときどきくれます。別に用はないのだけど、「お母さん、何してる?」「あなたはどう?」なんてね。美どりは先日誕生日だったので、「私が一所懸命産んだんだから、しっかりやんなさいよ」ってちょうど言ったところ。

そうして電話ではしょっちゅう話していても、娘たちは普段の私の生活までは知りません。だから、私が最近めっきり出不精になって外へ出なくなっているのに、誕生日に高価なハンドバッグが届いたり(笑)、「こんな派手なセーターを着ていくところなんてないわ」なんてことも。

あんまり私が「あれも嫌だ、これもいらない」と言うものだから、美どりには「お母さんにプレゼントしても張り合いがない」と嘆かれています。でもしょうがないのよ、江戸っ子は言いたいことを腹にためておけないんだから。向こうもそうですが。