「イヤ」という本音を受け止めてみたら
相談者のAさんは、友人と遊びに行った時、ランチの写真を撮られるのにモヤモヤしていたそうです。私が頼んだランチなのに撮られるのは損した気分になる、と。一方で、そういう自分を「心が狭い」とも思っていたそうです。
私からは「友達の行動をイヤだと思ってもいいんですよ」とお伝えしました。
Aさんはそれまで、まわりに対してネガティブに思うことを自分の中で許していなかったそうで、「イヤだと思っていい」ということにまずはびっくりしたそうです。まわりの人にいい顔をしたくて、イヤだという気持ちさえ封印していた。それでいつのまにかストレスが溜まっていたようだ、と振り返っておられました。
その後実際に「イヤだな」と思ったとき、相手を嫌いにはならなくて再び驚いたといいます。「イヤだ」と「キライ」はちがうのだ、と気づいたそうです。少しずつ自分の気持ちを認めることで、人に対しても物事に対しても、やわらかい気持ちでみることができるようになったそうです。
相手のすべてを好きにならなくても、大丈夫。いい部分も悪い部分も同時にある。相手を「まだら」としてみることで、「好き」「キライ」ではない「ふつう」のエリアも広がって、これまでにない人間関係のつくり方ができるかもしれません。
※本稿は、『雨でも晴れでも「繊細さん」』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
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