【左】1981年から87年まで、初代ピーターパンを演じた榊原さん/【中央】6年間の舞台経験が高畑さんの原点になった/【右】10代目の吉柳さんは今年で4度目の挑戦となる

舞台の外でも役柄に影響されて

榊原 ピーターパンを演じるのは、体力的にも大変だよね。

高畑 本当にそうですね。その後、あれほど体力的にハードな作品にはまだ出会っていません。おかげで根性もつきましたし、どんな作品であっても「ピーターパンほどは大変ではない」と思って挑めるので、あらゆる意味で自分のベースになっている気がします。

榊原 とくにフライングは本当にきつい! 飛ぶ時に体につけるハーネスがかなり重たくて負担が大きいのに、その状態で軽やかに歌ったり踊ったりしなくてはいけない。腹筋や体幹が強くないと、演じられないでしょう。しかもピーターパンはすべてが楽しくてしょうがない少年で、いつもパワー全開。海賊にも100%のエネルギーで向かっていくんですから。

高畑 テンションあげあげじゃないとダメですよね。

榊原 そうそう。だから1ヵ月の公演期間にどうしても痩せちゃうのよ。咲良ちゃんもそうよね。

吉柳 はい。すごく体力を使いますし、疲れや緊張で食欲がなくなることもありました。

榊原 でも、充希は太ったんでしょう?

高畑 これだけ動いてカロリー消費しているのだからいいだろうと思って、どんどん食べていたら太ってしまって。その神経の図太さが信じられないと、みんなに言われました。(笑)

榊原 ほんと、信じられない! でも、2人はぜんぜん違うから、それぞれ面白いんだね。

吉柳 それから、この作品を通じて変わったことと言えば、普段の服装もだんだん男の子っぽくなっていったことです。

高畑 わかります! 私は女の子にモテたいという気持ちになりました。男性より女の人の目線を気にしていましたね。

〈後編につづく