普段メイクの顔に髭…

さて、話は戻ります。

初めてつけるとなった時、上級生の方が
「髭を稽古場でつけて経験してみてはどうか」と
アドバイスしてくださいました。

皆さん、想像してみてください…。
稽古場でのわれわれは、普段のナチュラルメイクなわけで
いわゆる「宝塚メイク」は舞台でしか披露いたしません。

宝塚メイクというものは
大きな舞台と豪華なお衣装、壮大な装置、迫力のある音響、
そして鬘など、すべてがそろって成り立つものだと思うのです。

ですので、稽古場で髭をつけるとなれば、
普段の可愛らしい? お顔に髭をつける事になります。
そう、見た目の違和感が生まれます。
そうなるであろうと容易に想像できましたが、せっかくいただいた先輩のアドバイス。
私自身もつけてみたかったのもあり、装着してみました。

するとどうでしょう。
想像を遥かに超えて、素顔でもなかなか似合うではありませんか。

髭の似合う男役…? スマホのアプリで変身!(写真提供◎越乃さん)

 

うっとり…はいたしませんでしたが
あー私は髭の顔なんだ…と自覚した3年目の夏でした。

それからというもの、数々の髭をつけていろんな人生を演じてきました。
長年連れ添った髭とのお別れはできず、
今後の人生でまったく役に立つことはないであろう自前の髭を
今も大切にしまっています。

次回は「実直な人 珠城りょうさん」のお話です。

※次回の配信は、8月18日(水)の予定です

●8月1日~31日まで、オペラ歌手大山大輔さんとのトーク&ライブ配信中
【公開収録+動画配信】大山大輔の百人組手 Returns VS 越乃リュウ(女優・元宝塚歌劇団月組組長)
 Peatix 

●日本テレビ「news every.」の「every.特集」にナレーターとして出演中