77歳の僕の人生はまだ7回裏くらい
世の中を見渡すと、雑誌や新聞、テレビも「終活、終活」でしょう? 残った人に迷惑をかけないように、というのはわかるけど、僕は、「死」に向けて追い立てられているような気がして、心が萎える。残りの人生を楽しみたい僕にとって、「終活」は邪魔になる言葉なんだな。
子どもたちに迷惑をかけないようにと言うならば、むしろ事務的にお金やモノの行き先を決める「生前整理」という言葉のほうがしっくりきますよ。これなら、人生を楽しむために、今、やれることをやっておくという前向きな作業として感じられるから。
体力は70歳の時よりも確実に衰えているし、時にうつのような気分になることもある。だけど人生を僕の好きな野球にたとえるならば、77歳の僕の人生は、まだ7回裏くらい。野球では8回表で大量得点もあるし、9回裏のサヨナラゲームだってある。つまり終盤戦も見逃せない。
たとえそれがヒット1本であっても、「まだまだこれから」と気持ちは高揚し、その後の人生も活気づく。「最後まで捨てちゃいけないよ、人生は」ですよ。僕だって、この先、再婚するかもしれないしね。(笑)