母親はいろんな形でぼくを後押ししてくれている
講談社エッセイ賞を受賞した『自殺』は、朝日新聞の自殺防止企画でインタビューされ、母親のダイナマイト心中のことや自殺に関して思っていることを話したら、それを読んだ朝日出版社(朝日新聞とは関係ありません)の鈴木久仁子さんから「面白い自殺の本を書きませんか?」と言われて、1年以上経ってから書き始めました。
その本にも母親のことを書いているのですが、母親のダイナマイト心中は、ぼくが文章を書くきっかけを作ってくれたし、それで世に出ることにもなりました。母親はいろんな形でぼくを後押ししてくれているように思います。
ぼくの長年の望みだった「自宅で出来て高収入」にしても、「高収入」にはなりませんが、自宅で自分が書きたいことを書いているのですから、望みは叶ったようなものです。文章を書くようになったのは『素敵なダイナマイトスキャンダル』を書いたからで、これも母親のおかげです。
ぼくは人見知りで、人付き合いも下手ですが、人が嫌いではありません。でも、人といるとどうしても緊張してしまい、長時間いるとクタクタになるのです。一人でいるのが好きというより、一人でいるのが楽なだけなのです。
コロナ禍で仕事がテレワークになり、会議はリモートになり、ぼくと同じように自宅で仕事をしている人も大勢いると思います。集うのが好きな人にとってはストレスが溜まるかもしれませんが、ぼくのように一人でいるのが楽な人や、無理矢理上司の飲み会に付き合わされたりしていた人にとっては、今はいい時期かもしれません。知り合いに映画の大好きな人がいるのですが、仕事をさっさと片付けて、毎日映画を観に行っているそうです。
※次回配信は9月30日(木)の予定です