『婦人公論』11月9日号の表紙に登場した草笛光子さん

いつも悠々と、楽しく。それが私のモットー

また、印象に残っているのは、「人間、わがままに生きたほうが勝ちよ」という芳乃の台詞。最初のシナリオでは別の言葉でしたが、なんとなくしっくりこなくて監督に相談したところ、こうなった。おかげで私のなかで、芳乃の役がしっかりと像を結びました。

いつも家族のために生きて自分のことを後回しにしている主人公の篤子さんにエールを送りながら、映画を観ている方も応援できたらいいなと思います。

生きていれば苦しいことや我慢しなくてはいけないこともたくさんあるけれど、おおらかに楽しく生きていたい。私自身、苦い経験は忘れて前を向いて進もうと、自分を仕向けてきたような気がします。いつも悠々と、楽しく。それが私のモットーです。

1つの作品が終わると、「さぁ、新しい私で生きよう」と気持ちを切り替え、前の自分は忘れます。今日より明日、明日より明後日、より新鮮な自分でいたいから。そして、いつもお客様を驚かしていたい。『老後の資金がありません!』で大笑いした後は、どうか私の扮装のことは忘れてくださいね。(笑)

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