自宅で夕食の用意をする青木さん(写真提供◎青木さん 以下すべて)

 

青木さやかさんの好評連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」などが話題になりました。今回は「同じものを食べる人として」です。

前回「趣味って何だろう?〈頑張って〉やるものは趣味ではない?料理、ピアノ…果たして心は躍っているか」はこちら

デコポンが置いてあると買い占める

「ママ、夕ごはんなに?」
「せりのスープにしようかな、それと、ごはんと、何か」

「せりのスープは、昨日も食べたよ」
「うん」

「ほかのが、いい」
「えー!そうなの?」

そうか、じゃあ別のものにしましょうか、となるのだが、正直わたしは好きなものなら毎日同じだって構わない。むしろ、毎日それを食べたい。そういえば、一時期ナタデココばかり食べていた。流行りが終わり街からナタデココという文字が消えても、なんとか探して大人買いして、張り切って毎日ヨーグルトと一緒に食べた。

フルーツも好きだ。必ず何かを常備している。この時期だとデコポン。生活クラブさんにデコポンが置いてあると買い占める。カバンの中には、デコポンが入っている。新幹線でも食べる。車を止めてデコポンを食べる。

青木さんが大好きなデコポン